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情けは地蔵の為ならず
去年の冬のことですが、雪がチラチラ降り始め、もうすぐ根雪になろうかというころ。

いつも通る道から見えるわりと大きめのお地蔵さんが、お地蔵さんを守るために建てられた大きな屋根に潰されそうになっていました。

屋根を支えている柱(丸太)が倒れかかっていて、何とかお地蔵さんの首で支えているようなかなり危険な状態で、このまま雪が降ると間違いなくご臨終だろうと察しがつくレベルでした。

それから何日か、通り過ぎるたびに大丈夫かなーと心配になりながら見ていましたが、誰のものかもわからぬ土地のもので、しかも直すとなるとちょっと大掛かりなので、悶々と日々を過ごしていました。

しかしある日のこと、天気予報で近日中に大雪が降る予報になり、とりあえず応急処置だけでも思い、仕事帰りにビスとインパクトドライバーを持ってお地蔵さんのところへ行きました。

倒れかかった柱を起こし、長めのビスで屋根と柱を止めて応急処置をしようとしたのですが、それでもすぐ倒れてくるほど柱の地盤が弱くなっていました。

これ以上直すとなると大ごとになる、しかしこれは人の土地のものだ、ビスぐらいならと来てはみたが、変に大掛かりな修復はできない、しかし時間がない。

僕は迷ったあげく決断しました。

「この土地の人に怒られても、万が一弁償させられてもいい。僕の責任でこのお地蔵さんの屋根を直そう。」と。

家に一旦帰り、脚立と大ハンマー、杭になる垂木を何本か持ち、土を入れた土のう袋を何袋か車に積んで、再びお地蔵さんの所へ行きました。

倒れかかった柱を全て起こし、柱の倒れている側の地面に大ハンマーで垂木を深く打ちこみ、その垂木と柱をビスで固定。柱のまわりを大ハンマーで天圧し、持ってきた土を盛ってさらに天圧。

何とかあまり目立たない形で修復に成功。お地蔵さんが厳しい冬を越せますようにと祈って家に帰りました。

その2日後、大雪が降りました。お地蔵さんのところを通ると、屋根にこんもり雪が積もっていましたが、屋根が雪に負けずしっかりと立っていて、お地蔵さんは雪をかぶることなく守られていました。

「ああ、あの時迷ったが直して本当に良かった。」

そして僕はその時思いました。

自分が何かの行動について迷った時、それに関わる人が例えそれを喜んでくれなかったとしても、最悪自分がその責任を取らされたとしても、それでも自分がそれをやろうと思えるなら、僕はそれをやるべきなんだと。

その大切なことを、きっとお地蔵さんが教えてくれたのだと思いました。

それからその道を通ってお地蔵さんを見るたびに、何か誇らしいような気持ちになり、安らぎを感じるようになりました。

情けは人のためならず、お地蔵さんを救ったつもりが、本当は自分がお地蔵さんに救われていたのでした。

誰も知らない、僕とあのお地蔵さんだけが知っている秘密のお話です。


by opengate0081 | 2019-07-31 23:32 | 日々の出来事
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